平成23年度島根県事業石見銀山関連講座2「中世石見の港と町~益田と石見銀山~」を開催しました【11/13】

平成23年度島根県事業石見銀山関連講座2「中世石見の港と町~益田と石見銀山~」を開催しました【11/13】
  島根県教育委員会では、石見銀山の多様な価値と調査研究成果を内外に広く情報発信することを目的に、平成22年度から講座を開催しています。
  今回は、益田市河口部の中世遺跡群で明らかになった港と、世界遺産石見銀山遺跡や周辺の港を取り上げるとともに、全国的な視点から中世石見の港と町の特色についてご講演いただきました。


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■講  座:石見銀山関連講座2
「中世石見の港と町~益田と石見銀山~」
■日  時:平成23年11月 13日(日)13:30~16:30
■会  場:島根県芸術文化センター(グラントワ)スタジオ1
■報  告:益田市教育委員会文化財課主任 長澤和幸
「益田河口部の港湾遺跡」
島根県教育庁文化財課世界遺産室専門研究員 岩橋孝典
「世界遺産石見銀山遺跡とその文化的景観~港の変遷を中心に~」
■講  座:愛知県立大学文学部日本文化学科准教授 山村亜希先生
「中世石見における港の立地と景観」


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平成23年度島根県事業石見銀山関連講座2「中世石見の港と町~益田と石見銀山~」を開催しました【11/13】
●講座のねらい
  中世の益田市河口部一帯では、中須東原遺跡・中須西原遺跡や沖手遺跡で見つかった港に関する遺構・遺物や中世今市船着場跡などから、港を舞台とした人や物の様々な交流が行われていたことが明らかにされつつあります。
  また、世界遺産石見銀山遺跡には、銀や銀鉱石を搬出し、鉱山で必要な物資を受け入れた二つの港(鞆ケ浦・沖泊)や港町温泉津があります。石見銀山遺跡周辺にも、数多くの港があるのはご存じのとおりです。

  本講座では、益田市域の中世港湾遺跡と、石見銀山遺跡と周辺の港・港町について最新調査成果をまとめ、広く石見地域全体での港の特徴やその価値を考えてみました。秋空のもとさまざまな催しでグラントワが賑わうなか、本講座へは約80名の方にお越しいただきました。


●講座・報告の内容
  まず、島根県世界遺産室の岩橋孝典専門研究員が、「世界遺産石見銀山遺跡とその文化的景観~港の変遷を中心に~」として報告しました。石見銀山遺跡の概要を紹介した後の本論は、「潟湖港」と「岸壁港」という区分を基軸とした内容です。石見銀山遺跡周辺では潟湖(ラグーン)に立地した「潟湖港」が古くから利用されていたのに対し、「岸壁港」は16世紀からその利用が本格的に始まったとし、両者の変遷には石見銀山の発見が関わっていたと述べました。

  次は、益田市文化財課の長澤和幸主任による報告「益田河口部の港湾遺跡」でした。現在調査中の中須東原遺跡の最新調査成果を丁寧に解説されました。遺跡南東部では舟着き場と考えられる礫敷き遺構が発見されたほか、中国産陶磁器や鍛冶に関わる遺構・遺物が多数確認されるなど、中世の港町の実態をうかがわせる貴重な発見について、遺跡現地の写真や図面類を交えて報告されました。

  最後は、愛知県立大学文学部日本文化学科の山村准教授による「中世石見における港の立地と景観」のご講演でした。中世の石見地域では、海岸沿いの道と内陸部からの道の交点に成立した港・港町が、各地に分立していたとされます。港町の類型として、温泉津のように谷あいに細長く成立したものや、河口部に港町の諸機能が散在する益田などがあることを説明されました。温泉津や益田は、その町構造が近世においても大きく変わっていない点が特色だと述べられました。

  なお、会場では石見銀山遺跡や中須東原遺跡等の写真パネルも掲示し、ご覧いただいたところです。秋空のもと、港や港町に関連する現地へも出かけてみられてはいかがでしょうか。
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